高麗人参は認知症にも効く?
高麗人参が認知症の原因物質を抑制
認知症は病名ではありません。医学的には、診断がハッキリできず、原因もわかっていない状態のことを「認知症」と表しています。
認知症は様々な原因によって脳の細胞が死滅したり、また細胞の働きが悪くなったりすることで、生活に支障が出ていることをいいます。
ひとえに「認知症」といっても、種類があるのをご存知でしょうか。
認知症の中でも最も患者が多いとされているのが、「アルツハイマー型認知症」です。
その次に多いのが、「レビー小体型認知症」、「脳血管性認知症」です。
これらは「三大認知症」ともいわれており、認知症の症状が現れた時、この3つのどれかに分類されます。
患者数が最も多いとされているアルツハイマー型認知症の原因物質に「アミロイドβタンパク」があります。
この、アミロイドβタンパクが脳に蓄積されることがアルツハイマー型認知症が起こる原因ともいわれています。
高麗人参が認知症に良いと期待されている理由は、高麗人参がアミロイドβタンパクを分解することがわかったからです。
アミロイドβタンパクは、インスリン分解酵素によって分解します。
高麗人参には、インスリンと似た働きを持つ「インスリン様物質」が含まれていることがわかっていますので、インスリン分解酵素のような働きをすると期待されているのです。
また、高麗人参には精神安定作用があります。
東京大学とスタンフォード大学の共同研究によると、アミロイドβタンパクが蓄積された神経細胞に光で刺激を与えるとアミロイドβタンパクが2.5倍に増えたそうです。
つまり、神経細胞はストレスによってアミロイドβタンパクを増やすことが明らかになったのです。
高麗人参には、精神を安定させ、ストレスを緩和する働きがありますので、神経細胞を落ち着かせることでアミロイドβタンパクの増加を防ぎます。
高麗人参は三大認知症に有効
さらに、高麗人参は「レビー小体型認知症」、「脳血管性認知症」の症状にも効果的に働きます。まず、レビー小体型認知症の患者の半数近くがアルツハイマー型認知症と同じくアミロイドβタンパクが原因だとされています。
前述にもあるように、高麗人参にはアミロイドβタンパクの分解を促すインスリンと似た働きを持つインスリン様物質が含まれていますので、症状の緩和をサポートします。
さらに、高麗人参の抗ストレス作用がアミロイドβタンパクの増加を抑えることで、レビー小体型認知症の予防、緩和にも繋がります。
次に、脳血管性認知症ですが、原因は生活習慣病からなる脳出血や脳梗塞が何度も生じることで、脳に血液が届かずに組織が死滅することにあります。
愛媛大学医学部の実験によると、脳血管性認知症モデルのマウスに高麗紅参(※)を投与したところ、神経細胞の死滅や学習能力の低下が抑制されることが明らかになったそうです。
この結果から、高麗紅参は脳血管性認知症に有効なことが示唆されました。
※紅参…収穫した生の高麗人参の皮をむかずに蒸して乾燥させたもの。
高麗人参の加工法の中で最もサポニン含有量が高い。
認知症に対する高麗人参のパワーはまだまだ未知なことがありますが、様々な研究からも、高麗人参は認知症に良い結果をもたらしています。
認知症は根本的な治療薬がまだありませんので、医療の力だけでなく、高麗人参の力を試してみてはいかがでしょうか?